人間に向いてない
黒澤 いづみ
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刊行日 2018/06/12 | 掲載終了日 2018/05/31
ハッシュタグ:#人間に向いてない #NetGalleyJP
内容紹介
「メフィスト賞選考会」時に、
編集部満場一致でデビューが決定!
――ある日突然、あなたの子どもが虫になったら。
それでも子どもを愛せますか?
ある日突然発症し、一夜のうちに人間を異形の姿へと変貌させる病「異形性変異症候群」。
政府はこの病に罹患した者を法的に死亡したものとして扱い、人権の一切を適用外とすることを決めた。
十代から二十代の若者、なかでも社会的に弱い立場の人ばかりに発症する病が蔓延する日本で、異形の「虫」に変わり果てた引きこもりの息子を持つ一人の母親がいた。
あなたの子どもが虫になったら。
それでも子どもを愛せますか?
おすすめコメント
普通に生きることが一番難しいと思ったことはありませんか?
社会のシステムに馴染むのが苦しいと思ったことはありませんか?
自分が『人間に向いてない』と思ったことはありませんか?
誰かのことを『人間に向いてない』な、と一瞬でも思ってしまったことはありませんか?
そんなあなたにこそ、読んでほしいのです。
この物語には、社会の闇や人間の醜さが、嫌というほど描かれています。
でも最後まで読んでほしいのです。
心を揺さぶるラストに、涙するはず、です。
感想をお聞かせ下さい。そして語り合いたいです。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784065117583 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
とんでもないシチュエーションにおける"if"ストーリーですが、周りの人々の反応がいかにもありそうで怖い。リアリティがあります。親の気持ちも子供の気持ちも身に迫る。
人間はどこまで状況を受け入れることができるのだろう、と考えずにはいられませんでした。
自分や子供と同世代の方に、ぜひお勧めしたい。
あり得ない状況なんだけど怖い。
自分がそうなったら、家族がそうなったら…と想像しながら読んでました。
子どもに理想を押し付けてないだろうか?と色々考えることもあり、コミニュケーションをちゃんととろうと改めて決意させられました。
ある日わが子が変態し人ではなくなってしまうカフカさらながの出だしで、なかなか斬新な物語。珍しくGW中に一気読みしました。最初は少し悪趣味なストーリーなのかと思いながら、でも怖いもの見たさの様な好奇心に購えずに読み進めていくうちに、著者の核になる思いが読み手にもじわじわと伝わってくるのか、「自分だったらどうだろう?わが子が化け物になったら」など、いろいろ考えながら読んでいました。途中で「まさか!!これがオチ?」と読者が著者にいい感じでもてあそばれる部分もあります。最初の不気味な出だしが最後の安堵感を際立たせてくれるので、読後感は軽やかな気持ちになれます。ぜひ読んでみてください!!
まず感じたのは、作品そのものが長いということ。楽しみながら読み進められる内容ではないので、この長さに、読むのを苦労しました。もっとシンプルにまとめて三分の一の長さで十分なのかも、と感じました。
表現は変えてありますが、主人公の心情が何度も同じように語られており、良い効果とはなっていないように思います。同じことをぐるぐる読まされている気になりました。言葉の使い方に違和感があるところもありました。
物語の動きが遅く感じ、最後の結末も意外には思わず、ラストも感動はしませんでした。カフカの変身を読んでおりますので、設定そのものに驚きがなかったせいもあるかと思います。
何にしろ、「この後どうなるか?」という興味を引っ張るのには成功しており、そこは良い点だと思います。
子育てに悩んでいるような女性に向けておすすめしたい内容ではありますが、読者を選ぶ作品だと思います。
好きな方には、ハマる内容かもしれないと思いました。
夜の12時にうっかりダウンロードしてしまい、明日読もうと思ったのにもかかわらず、気がつけば一気読み。翌日が仕事おやすみで良かった~!
自分も子を持つ母なので、この話の母親とシンクロしてしまい泣けた。子供を育てていると毎日「どうしてこうなった」の連続で、とても他人事とは思えなかった。自分はこの姿の子供を愛せるか自信がない。
タイトルも秀逸。この病に羅患する人が人間に向いてない="人間でいる必要がない"から”人間でいる資格がない”にシフトしていく。きっとこれからもどんどん患者は増えていくのだろう。
家族の愛とは。
子供が人間ではないものに変身してしまったとき、自分はどうするのか。
受け入れ、向き合うことができるのか。
ぜひ親世代の方に読んでほしい。これはただのフィクションではなく、すぐ側の世界で起こっている物語だと思う。
異質なものへ愛情を抱けるか?
でもその本質は異質なものへ、ということではなく家族という愛憎に対しての向き合い方のひとつであるという気がした。
家族であっても同じ人間であっても完璧な意思の疎通なんてとれるわけがない。
人間としての在り方と他者との向き合い方について考えてしまった。
けどそれはそれとして人間が異形へ変化するストーリーがめっちゃ面白い!とか一言でまとめても良いですか?
非常に衝撃的な作品でした。ある日、自分の子供が変なモノになっている。しかもそれはどこか人間の形を残していて、とても正気じゃ見ていられないような生き物に。変異するのはニートや引きこもりなどの社会的弱者の若者。つまりそれにかかるということは、「社会的落伍者」のレッテルを張られるようなものである。果たして、生きているときから悩まされていた子供がそのような変なものに変異して、愛せるだろうか。
「あり得ないシチュエーション」ではあるのですがどこが現実的で、いろいろと考えさせられるものがありました。周りの反応、変異したら社会的には死亡とされること、そして家族の反応。とても興味深く読めました。
カフカの小説を思わせる始まり。
子どもを持つ身には正直ツライ話です。
もう手を離れているけれど時折あの時ああ言ったもののと後悔することが多々あるからです。
でも人は間違うもの。素直になって相手をそのまま受け入れて向き合えればお互いわかり合えるようになるかも。可能性だけだとしても試さない手はない。
いろんな読み方が出来る小説だと思います。単なる感動のラストではないところがまた良かった。オススメ。
全ての人が美晴のように受け入れられるわけではないと思いますが、それができればもう一度始めることができるんだなーと思いました。
やり直すことはできないけど、新しいスタートを切ることはいつでもできる。
子育ては導くことでは無く手助けすることという言葉が響きました。
よくこんなことを思いつくなという設定でした。恐くて、次の展開を知りたくて、ドンドン読み進めました。
ずっと同じ側面だけではなく、他の人の場合も書かれていて、あきることがありませんでした。
取り扱っているテーマは、普遍的な家族愛ですが、切り口が斬新なので、子どものいない私でも、楽しめました。
現代版カフカの『変身』?と思いきや、主に描かれているのは現代の家族の歪でありふれた関係。
一人息子が虫に変異してしまった母・美晴を中心に、変異者の母親の視点からそれぞれの親子が語られます。
親は万能なのか?子は無能なのか?なぜ子は異形になってしまうのか?子を異形にしたのは誰なのか?神か?親か?それとも自分か?……
続きが気になって一気に読んでしまいました。親と子の真実を暴いた現代の残酷なおとぎ話だと思いました。
ある日突然、引きこもりの息子が虫になった…。10~20代の引きこもりやニートなど社会的弱者が罹患する「異形性変異症候群」。自分の子供が社会的弱者で、さらにそうなったらいったいどんな対応ができるでしょう。夫はなんと言うかしら。法的にも罹患したら死亡扱い、人権の適用外。異形な子供を抱えた家族への周囲の拒絶反応はリアルで、周囲どころか家族にもどれだけ理解してもらえるか、想像するだけで背筋が寒くなります。家族の絆は強くて脆い。異形なものにならなくても現代社会は同じようなものなのかもしれません。
思春期の頃の自分に読んでみろと突きつけたい一冊。お前が辛いことと違う部分で親も辛いんだと。母に「勝手に産んだくせに、育ててくれって頼んでない」とか言った記憶とか諸々の攻防戦とか劣等感とかいちいちチクチク刺激されて痛いけど、それと同時に母の視点を読むと今なら解ることと今でも納得できないこととかがあって今も自立の途中だなと母を前にすると子どもの意識が抜けてない自分を再確認しました。
引きこもりの息子が世にも恐ろしい異形の生き物に変わってしまって・・・。ホラーかと思っていたら親の在り方とは、家族とは、を問われる事になるとは。最後は涙が溢れてしまった。
もし我が子が突然異形のモノに変異したら…
それでも愛せるだろうか?
グレゴール・ザムザの母は、変身した息子を憐れみながらも醜い姿に怯え、見捨てることに同意せざるを得なかった。それを責められるだろうか?
人間だったときにも良い親子関係を築けてなかったのならば、異形となった後に愛情をもてないのも当然なのではないか?
衝撃的なシチュエーションに心が掻き乱され様々な想いが沸き起こる、試金石のような小説でした。
異形成変異症候群という奇病が引きこもりなど社会的弱者の若者を中心に蔓延し始めた日本を描く。
ある者は「虫」に、またある者は「犬」に変異していた。
なかなかグロい描写もあり、予測のつかない展開に一気読み。みんなが普通に出来ていることが自分には難しく、そんな事が続くと「人間に向いてない」と思うのかもしれない。
もしもある朝自分の子供が虫になっていたら、貴方はどうしますか?
異形性変異症候群。十代から二十代の、引きこもりやニートを中心とした社会不適合者が突如として異形へと変貌してしまう奇病。役所に死亡届を提出する必要があり、仮に殺処分してしまおうと罪には問われず、そこに人権はない。
読んでいて本当に苦しい。心当たりがあるのです。「人間に向いてない」と思う気持ちも、段々コミュニケーションを取るのが難しくなる心苦しさも。そして想像がつくのです。恐らく子育ての「正解」を求めた結果であることも、意思の疎通ができなくなって、少しほっとしてしまう気持ちも。
じんわりとお腹の奥に重い気持ちが湧いてきて、読みたくないのに続きが気になって仕方がない!現代版カフカ「変身」、タイトルに「分かる」と思った貴方へ、そして親との蟠りを感じたことのある全ての貴方へ、この作品をオススメしたい。
子どもが虫になっても愛せるか?
という言葉につられ、恐る恐る読み始める。
溢れる苦しみ。
子の苦悩、親の苦悩。
人間にむいてない。
大切なはずの我が子にそんな風に思わせてしまったのは…
読み手によっては、ミステリー、サスペンスなのかもしれない。
だが、親であればぐっと胸にくるものがあるだろう。
誰もが迷い悩む子育て。
取り返しがつかなくなる前に、親である人、親になる人には読んでもらいたい。
子はただ純粋に親の愛を必要としてくれているのだ、と原点に戻らせてくれる。
子育てで壁にぶつかった時、また読み返したいと思った。
これは… なんだかすごい。
目覚めたら虫になってたのは、カフカの変身だったか、読んだことないけど。
ある日突然、我が子が虫になってた…
思春期を迎えた子供に対して、中身が変わってしまったように感じる親は多いと思う。
あの可愛かったあの子はどこへ?なんて。
あの子はどこへも行ってないし、そこにいる理解不能な苛立つ暴君は、中身もあの可愛いあの子のまんまなのだけれど、ついそんな思いを持ってしまう、でも、この話はそんなんじゃない。
名実ともに異形の生物になってしまうのだ。
異形の生物になった我が子を愛せるのか?
淡々とした描写が妙にリアルで、面白かった。
新しい何かを読んだ。
そんな気持ち。