タンゴ・イン・ザ・ダーク

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刊行日 2017/11/21 | 掲載終了日 2018/01/13

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内容紹介

N市役所のこども課で働く三川ハジメが、ある日目を覚ますと、妻のKの姿がない。Kは地下室にこもり、地下室から出てきてほしいハジメは、あの手この手で交渉するが、Kは『オルフェウス』なる自作のアプリゲームで高得点を取ることや、暗闇の中での合奏を求める。結婚当初はよくやったタンゴのセッションで盛り上がる中、ハジメはKとの失われた絆を思い出すのだが――。第33回太宰治賞受賞作。

N市役所のこども課で働く三川ハジメが、ある日目を覚ますと、妻のKの姿がない。Kは地下室にこもり、地下室から出てきてほしいハジメは、あの手この手で交渉するが、Kは『オルフェウス』なる自作のアプリゲームで高得点を取ることや、暗闇の中での合奏を求める。結婚当初はよくやったタンゴのセッションで盛り上がる中、ハジメはKとの失われた絆を思い出すのだが――。第33回太宰治賞受賞作。


おすすめコメント

2017年太宰治賞受賞作。12月新刊の単行本です。

2017年太宰治賞受賞作。12月新刊の単行本です。


出版情報

発行形態 ハードカバー
ISBN 9784480804761
本体価格 ¥1,500 (JPY)

NetGalley会員レビュー

自身が公務員やからということだけで選んだ一冊でしたが、本当に凄い小説を読んだという感じ。
とにかくページを進める手が止まらず一気に読み終えました。

地下室に妻が閉じこもってしまうけれども没交渉ではないという非現実的な状況から、次第に主人公が変わっていってしまう展開がとにかく興味深く、一人称の視点で描かれているのもあって地下室にいる妻がおかしいのか状態に困惑している夫がおかしいのか次第に分からなくなって作者の思う壺にはめられるという技巧的な小説でもあります。
序盤は展開が気になって、夫の生活が変わり始めるはちょっと怖くなってきて、地下室で音楽を合わせるようになると官能的な快感に襲われて、最後は茫然自失……物語を読んで受ける感情・感覚の振り幅がもの凄い小説でした。

……妻の顔見て、ちゃんと話しよう。

蛇足ですが、二つ。

書き下ろしの「火野の優雅なる一日」は、一冊の本として収録しているのは好きになれませんでした。

物語には関係ありませんが、元戸籍担当として。「恵」「惠」は異体字ですが、「同じ漢字」という扱いなので、双子の名前として出生届を出すのはギリギリアウトな気がします。受理伺いを法務局に出すことになりそうな気がします。

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某市役所市役所こども課の三川は、結婚5年目で、妻は在宅フリープログラマーだが、妻がある日から地下室に閉じこもり出てこなくなった。妻の妹のヒントを元に、結婚時良く演奏していたフルートでタンゴ演奏に挑み、地下室の妻と暗闇の中、共演することで2人の関係と存在意義を取り戻していく。・・・肝心なクライマックスにおとぼけキャラの火野が出てきて、ガッカリ。ここに火野はいらない・・・巻末に歴史資料館での火野のスピンオフコメディが付記されている。・・・夫婦間関係を見つめ直す。認識し会うって難しい事だなと感じた。

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熱いリズムが聞こえてくる芸術性に富んだ作品

何故妻が地下室に籠ってしまったのか理由も分からず、逢いたいと交渉するも意味不明な要求を突きつけられる様子に、妻は一体何者?と得体の知れない感じに薄気味悪くフワフワした感じを抱きながら読んだ。
結局、二人の間に何があったのかは窺い知る事は出来ないが、暗闇の中で変則的なリズムと攻撃的な不協和音を乗りこなし、タンゴのリズムを奏でる二人は、とても美しく確かにリアルに存在した。
エンタメ作品を好んで読む私には、本作から滲み出る掴めない感じに居心地が悪い思いで読み始めたが、読了後は何とも形容出来ないこの奇妙な感覚にすっかりはまってしまった。
他者と交わることは難しく時に困難を極めるが、それ以上に大きな喜びも与えてくれる。
人との繋がりとは何かを今一度思い出させてくれる物語だ。

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