ビギナーズ・ドラッグ
喜多 喜久
この作品は、現在アーカイブされています。
ぜひ本作品をお好きな書店で注文、または購入してください。
出版社がKindle閲覧可に設定した作品は、KindleまたはKindleアプリで作品を読むことができます。
1
KindleまたはKindleアプリで作品を閲覧するには、あなたのAmazonアカウントにkindle@netgalley.comを認証させてください。Kindleでの閲覧方法については、こちらをご覧ください。
2
Amazonアカウントに登録されているKindleのメールアドレスを、こちらにご入力ください。
刊行日 2017/12/05 | 掲載終了日 2018/04/08
内容紹介
あきらめない。何があっても。
難病に侵された想い人のために何ができるのか。
彼が選んだのは、治療薬を創るという無謀な挑戦だった――。
いつだって、ひたむきな情熱は世界を変える。
「化学探偵Mr.キュリー」シリーズの著者が贈る傑作感動巨編!
中堅製薬会社・旭日製薬で事務職をしている水田恵輔は、祖父が入居する老人ホームで出会った車椅子の女性・滝宮千夏に一目惚れする。しかし、彼女は治療不可能な難病に侵されていた。彼女のために自分は何もできないのか。悩む恵輔の目に飛び込んできたのは、新規創薬テーマ募集の掲示。「そうか……。治療薬が無いなら自分で創ればいいんだ」決意を固めた恵輔は、同期の研究員・綾川理沙を巻き込み準備を始めるが、化学の知識ゼロ、文系出身の“創薬素人”の思いつきに対する周囲の風当たりは強く……。
次々と立ちはだかる困難、進行する千夏の病魔。
恵輔の努力と汗、情熱の結末は――。
おすすめコメント
「創薬を扱う小説はこれで最後にする」喜多さんの覚悟は本物でした。十八番である“化学×ミステリー”の皮を破って生まれたのは、圧倒的熱量で迫り、心を震わせる感動作でした。困難に立ち向かい、ひたむきに努力することで周囲の人間を、世界を変えていく様はこんなにも美しく胸躍る。『船を編む』『下町ロケット』の再来をお楽しみください。
「創薬を扱う小説はこれで最後にする」喜多さんの覚悟は本物でした。十八番である“化学×ミステリー”の皮を破って生まれたのは、圧倒的熱量で迫り、心を震わせる感動作でした。困難に立ち向かい、ひたむきに努力することで周囲の人間を、世界を変えていく様はこんなにも美しく胸躍る。『船を編む』『下町ロケット』の再来をお楽しみください。
出版情報
ISBN | 9784062207522 |
本体価格 | |
NetGalley会員レビュー
読み終えた時、私は今、情熱を持っているだろうか?と疑問に思った。答えは微妙…。でも学生の頃よりは熱意を持っているし充実している。けれど不安も半端ない。プレッシャーや壁に当たった時、恐らく私はこの作品を思い出して自分を奮い立たせると思う。彼らの熱意に劣るけれども、私だって持っているんだ!と。そんな気分を高揚とさせてくれる作品です。
熱意は全てを突き動かすー
熱くなる事を忘れ、諦め癖のついた全ての大人達へ
久しぶりに小説で感動した。
どのシーン切り取っても濃厚で読み応えがある。
多くの患者さんの命を救いたい。
しかし企業であるからには利益を出さないといけない。
利益を追及する上司と新薬開発の必要性を訴える恵輔とのやり取りが緊張感溢れる文章で綴られており、早く先を読みたいとページをめくる手がとまらなかった。
どの世代でも楽しめるストーリーである為、いずれはドラマ化、映画化もして欲しい!
薬は多用してるけど、どのような経緯でそれを作って、どのような人たちが何故開発を進めているのかなんて考えたこともなかった。そこにも人が、色んな物語を持って生きているからなんですよね。1度、挫折を味わった彼が持った再びの熱意、始まりはあれですが彼から勇気を確実に受け取った気がします。
前半を読んでいた時は、テーマが本採用となっていく過程がもっと詳しく描かれていればいいのにとか、恋愛要素は必要?など、引っ掛かりを感じる点がありましたが、読み進んでいくうちにどんどん水田の熱意に引き込まれていき、エピローグでは自分が水田チームの一員だったかのような気分になっていました。
熱く、そして、清々しい気持ちになれる作品です。
読み応え十分、良かった!銀行業池井戸潤ならぬ、薬品研究所員、喜多喜久って感じです。・・・製薬会社総務部でまじめだけが取り柄の水田恵輔は、祖父の老人ホームで、車椅子少女千夏に出会い、「ラルフ病」という筋肉等が衰退していく難病であることを知る。彼女に恋心を抱き、会社でラルフ病の製薬に挑戦する。著者喜多さん出なければ、ここまでの製薬会社内事情は描けなかったと思う。製薬業作業と人間模様がリアルに熱っぽく描かれていました!感激なストーリーでした。
創薬をテーマにした小説という事で興味を持ちました。
製薬会社は公共奉仕と利益追求という二律背反を持っています。その特殊なフィールドで上司の圧力や組織の不合理と闘いながら、なんとか結果を出そうと奔走する主人公達の姿には、夢中になれる仕事を持てる事の羨ましさに目眩さえ覚えました。
海外の大手製薬会社に比べ、予算も人手も少ない日本の中堅企業が、希少疾患の治療薬を創る。
しかもそのチームリーダーが専門家でもないただの事務員という途方もないプロジェクト。
当然プロジェクトには様々な難関が待ち受けているわけですが、それを1つ1つ乗り越え、かつチームメンバーの一人一人も自己と向き合い成長していく…。
理想的なビジネス・ストーリーですが、この話は恋愛小説としての側面も持っています。
ただ主人公の水田も彼に想いを寄せる綾川も、その恋愛思考は非常にロジカルです。1人の人間として好きな相手と向き合いたい、相手を尊重したいと思う彼らの行動は時に歯痒ささえ覚えますが、2人の想いはどこまでも純粋で、優しさに満ち溢れています。
とても綺麗な大人の恋愛です。
余談ですが、大阪の製薬会社が舞台という事もあり大阪人として親近感を覚えました。
地下鉄や土地の描写が緻密なので、「あ〜、あの辺かな?」と関西人なら知っている地名に思わずニヤリとさせられます。
一目惚れをした女性が難病だったということで治療薬を作ろうと決心した、製薬会社で総務をやっている主人公。情熱だけでどこまで行けるでしょう。難病の家族も、創薬に携わる家族もいる私には、これは本当の夢物語に思えます。でも創薬の仕組みや情熱、損益の事情、ハードルなどとても分かりやすく書かれていて、ストーリーはとても読みやすくラストまで一気に読めました。登場人物が一人一人魅力的に書かれていることも好感が持てます。現実にもこんなことがあってもいいかもしれない、そう思わされるほど気持ちよく読み終えることができました。
ある事務職の男の人がある難病の人との出会いをきっかけにその薬を作ろうと努力する、熱い物語でした。
そのわりにはページごとの文字数が少ないので軽く読めます。なので、小説の中の期間は長いけれど読者の印象としてはサクサク事が進む感じの印象をうけてしまいました。が、サクっと読めてほろりと感動できる話なので、万人向けだと思います。
面白くて一気読み。よく知らなかった製薬会社の内側も丁寧に描かれていて勉強になりました。もう少し掘り下げられそうな題材だったので、もう少し読みたかったなーと思いました。
驚いた。いち事務員が創薬のリーダーとなって困難に立ち向かい、ついには念願の結果を手にするとは。
純粋な熱意だからこそ、主人公に協力する人が出てくる。
下町ロケットに通じる爽快感。