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市川拓司
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刊行日 2017/07/12 | 掲載終了日 2018/02/13
内容紹介
映画の脚本家を夢見ていた「ぼく」は、駅前通りの本屋で「彼女」から急に声をかけられる。同じクラスだが、一度も口をきいたことがない女の子。彼女がぼくに頼んできたのは、伝記を書くことだった。
『いま、会いにゆきます』『恋愛寫眞 もうひとつの物語』『そのときは彼によろしく』『こんなにも優しい、世界の終わりかた』--累計258万部を売り上げた大ベストセラー作家の最新作。心に鳥肌が立つ、奇跡の純愛小説、誕生!
映画の脚本家を夢見ていた「ぼく」は、駅前通りの本屋で「彼女」から急に声をかけられる。同じクラスだが、一度も口をきいたことがない女の子。彼女がぼくに頼んできたのは、伝記を書くことだった。
『いま、会いにゆきます』『恋愛寫眞 もうひとつの物語』『そのときは彼によろしく』『こんなにも優しい、世界の終わりかた』--累計258万部を売り上げた大ベストセラー作家の最新作。心に鳥肌が立つ、奇跡の純愛小説、誕生!
出版社からの備考・コメント
・プルーフです。内容には未校正の部分がございます。
※本書は、正規の刊行に先立ち、見本として制作されたバウンド
・プルーフです。内容には未校正の部分がございます。
出版情報
発行形態 | ハードカバー |
ISBN | 9784093864718 |
本体価格 | ¥1,500 (JPY) |
NetGalley会員レビュー
「映画みたいに完璧な初恋の物語。」
舞台はちょっとだけ昔の日本の地方都市。
ある映画好きの少年のところに、突然自分の伝記を書いてほしいと言う美少女が現れます。彼女はこの田舎の経済を支配する大工場の支配人の娘で、中学校でも当然のように女王として君臨していました。そんな少女がなぜ、自分に?
そう戸惑う少年に、これは取引で、正当な報酬も支払うと言う少女。その金額につられて取引に応じる少年でしたが、少女の隠された面を知るにつれてやがて・・・。
んもう超正統派なボーイミーツガールなストーリー。
謎めいた彼女の真の姿に興味を覚えてしまったら、読者はもう読み進めることしかできません。本当に一気読みでした。面白かった!
冒頭に書いたように、素晴らしく完璧な、映画みたいな青春ストーリーです。
それでいて、人と人との関係性、男と女、大人と子供、支配者と労働者などなど、普遍的な個から全体へ至る社会的な構造問題にも目が向けられます。
ちょっと大人びて、斜に構えたりもするけれど、純粋で、なんでもできる気になっているけれど、何もできるわけじゃなかったあの頃の少年と少女。その冒険の末に物語は爽やかなエピローグへ到達します。
いやー、ほんと面白かった! こんな本、図書室で見つけたかったですわ!
ぼくはジロ、彼女はモモ。15才のぼくは、ある日モモに彼女の伝記『彼女の物語』を書くよう依頼され、そこからぼく、ジロ(佐々時朗)とモモ(南川桃)の中学三年生の夏の話が始まる。
ジロは町の食堂で働く母と住み、学校のクラス内では特にどのグループにも属さない。一方のモモは父親を町の縫製工場の支社長に持つお嬢様で、美人聡明の女王様。駅前の本屋でモモから声をかけられるまで、モモには興味も接点も無かったジロ。彼女の家で“伝記のためのインタビュー”を重ねていく内に、度重なる引っ越しをして来た彼女がクラスで敵を作らないように努力し演技して立ち回っている事を知る。だんだんと仮面の下の本当のモモを知るうちに自分でも思いがけずモモに惹かれていくジロ。一方、学校のクラス内では沸々と問題が沸きあがってくる。縫製工場幹部を親に持つ生徒たちからなるモモの取り巻きグループは、はみ出し者には容赦ない。そしてモモもある日クィーンの座から転落してしまう事になる。自分の気持ちとクラスのゴシップの間で迷うジロはどうやってモモを守れるのか?そしてモモは何故、ジロに伝記を書いてと頼んだのか?クラス内の事件と同じくして町の縫製工場でも事件が重なり、二学期の終業式とともに彼らの生活はクライマックスを迎える・・・。
15才という子供らしい初恋のやり取りと、そして大人達の生活を見ながら社会の醜さを直視し批判できる純粋さが無理なく描かれている。話が何度か前後するも、関連付けをしながら滑らかに話が進んで行くのであっという間に読み終わった。大人のように冷静な事を考えつつも、学校クラスの村八分やゴシップの事になると足が竦んでしまう。こういう危ういバランスを保って葛藤していく子供たちの純粋さと勇気、喜びは味わいがあった。若者だけでなく大人の読者にも十分に楽しめる作品だと思う。特に今の時代の子供~青少年たちが、色んな事へ対しての最初の一歩を踏み出す勇気について考えるきっかけになるかもしれない。
ジロがハリウッドの脚本家になるのが夢という事で、頻繁に映画タイトルや俳優名などが出てくる。そしてまた1980年代前後の洋楽アーティストや曲なども頻繁に出てくるのだが、それは時代設定の効果も狙っていたのだろうか?個人的には馴染みのある名前や曲がほとんどだったのだけれど、どれだけの読者が知っている、あるいは興味を持つのかな?とちょっと思った。
◇NetGalleyを通して小学館さまよりプルーフ・コピーを受け取らせて頂きました。これは私の公正なレビューです。
言わずと知れた「いま、会いにゆきます」の作者の作品。そちらではなく「ぼくの手はきみのために」は読んだことがありますが、久しぶりの市川拓司作品でした。
ひとつの企業が牛耳ってる小さな田舎街での、抑圧された高校生男女の物語なのだけど、なんだろう、、お洒落でとてもアメリカンな作品だった。クラスカーストとか、社会の歪みとかを意識させられるお話。主人公自身が将来脚本家を目指してて、作中で「ウッディ・アレン」を持ちあげてるだけあって、すごくアメリカ映画っぽい。映画や音楽に関する言及も多いので、その方面に興味がある人はさらに楽しめるのではないでしょうか?すごく映像映えしそうな作品だと思いました。