風が吹いたり、花が散ったり

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刊行日 2017/06/20 | 掲載終了日 2018/01/12

内容紹介

汗も涙も笑いも本物だ
本年度青春小説の大本命!

視覚障害を持つさちの伴走者となり、盲人マラソンに挑むことになった亮磨。
クソみたいな夢も、ブラックバイトの日々も、二人で走ればどうでもよくなってくる――。
でも、僕は彼女に嘘をついている。本当は隣を走る資格なんてないんだ。

『白球アフロ』でファンを増やす小説現代長編新人賞出身の新鋭が放つ、ド直球の勝負作!

汗も涙も笑いも本物だ
本年度青春小説の大本命!

視覚障害を持つさちの伴走者となり、盲人マラソンに挑むことになった亮磨。
クソみたいな夢も、ブラックバイトの日々も、二人で走ればどうでもよくなってくる――。
でも、僕は彼女に嘘をついている。本当は隣を走る資格なんてないんだ。

『白球アフロ』でファンを増やす小説現代長編新人賞出身の新鋭が放つ、ド直球の勝負作!


出版情報

ISBN 9784062205344
本体価格 ¥1,500 (JPY)

NetGalley会員レビュー

読了直後、余韻冷めぬタイミングでの投稿です。みんなそれぞれ何かを抱えて生きているんだなぁ。そんな人物達でこの物語は成り立っている。
そして、誰だってばれそうな嘘でヒヤヒヤしたり苦しい気持ちになった経験はあるはずだ。私は亮磨の苦しい気持ちが嫌というほどわかったので、まるで自分が嘘がバレるのを恐れているような気分になった。
とにかくこの本は読めば登場人物の誰かには共感するんじゃなかろうか。
新鮮だったのは、視覚障害者のスマホの活用法だ。
後半の廉二と亮磨の会話など、現実じゃあんな会話できない。だからこそ、若い人に読むことで追体験してほしい。全ての思いの丈をぶつけ合うってことは大人でもできないことだ。そういうことをできる物語の中の登場人物が羨ましい。

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清々しい気持ちにさせてくれた一冊でした。視覚障害者マラソンというのは見たことも聞いたこともなかったです。目の見えない人がマラソンするの!すごい!という導入でしたが、最終的に登場人物すべてが前向きに頑張っていこうとするのを読んで自分も頑張ろうと思える気持ちになりました。

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人生に躓きかけた少年が視覚障碍をもつ少女と出会い、成り行きからマラソンの伴走者として走り始める。しかし少年には少女に告白できない秘密があった。

バイト先の同僚たち、少女、そして彼女に寄り添うもうひとりの伴走者。
主人公から見れば眩しすぎる彼らにも、隠された心の闇があり、それぞれが懸命に闘っている。すべての人々に、ゆっくりでも前に進むことが大切だと語りかけてくるような物語。

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著者の作品「白球アフロ」が好きだったのと、「汗も涙も笑いも本物だ」という紹介文に惹かれて読み始めたが、爽快ではつらつとした青春小説、スポーツ小説とはひと味違った。
主人公は犯罪に関わった過去を持つという特殊な設定で、アルバイト先の居酒屋にも訳ありの同僚たちがいて、ともに店名になっている「捲土重来」を期して雌伏中…。
一貫して主人公目線でストーリーが展開し、その時々の心情が詳細に書かれているため、特殊な設定を越えて、青春特有の苦しさや絶望に共感できる。 
短絡的な行動さえも愛おしく感じられ、自然に主人公のよき理解者であろうとしていた。
その主人公がブラインドランナーと出会い、初心者ながら伴走に挑戦するという題材は、白球アフロの黒人選手同様、意外性があって新鮮だった。とくに、トレーニングやレースのシーンはとてもリアリティーがあって分かりやすく、市民ランナーとしてマラソンを走る自分はどんどん引き込まれた。
読後感は爽やかだった。穏やかで温かい気持ちにさせてくれる良作だと思った。
それだけに、タイトルにもう少しインパクトがあったら、もっとよかったのにと思う。何年か後に、「あの作品のタイトルは何だっけ?」と思っても、思い出せる自信がない。

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人間は誰でも何かしら背負って生きている。若いうちなら尚更。
なりゆきから、視覚障害者の伴走者となってフルマラソンに挑戦することになった亮磨。走りながらも過去の自分に後ろ髪を引かれる。この作品に登場する若者たちは皆、様々な事情を抱えているが、その中であがきながらも自分の進む道を探っている。
そういう意味で、思い通りに行かなくて腐っている若者たちに勧めたい一冊。

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テレビ単発ドラマ向きの、青春小説。熱血ではないけど、楽しんで読めます。

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初読み作家さん。気の弱さから過去に人生を狂わされた青年が、視覚障害の女性とのマラソン伴走に挑むお話。目に見える障害、目に見えない障害、障害とも言えないような心の弱さ、登場人物は様々に困難を抱えていますが、それらと向き合い乗り越えて行く様が描かれています。冒頭、走り出すまでは少し重たいですが、マラソンが題材だけあって、途中からは読みながら風が吹き抜けていくような心地よい読後感でした。オススメです。

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挫折や絶望を抱える若者達が希望を見つけ、変わって行く姿を描いたド直球の青春小説。

視覚障害のある、さちの伴走者となり、盲人マラソンに挑むことになった亮磨。
彼もまた人に言えない陰を抱えている。
流れる汗、自らの呼吸と筋肉の動き、前から後ろへ流れる風景。

辿り着く先には何があるのだろうか?
どんな風景が心に残るのだろうか?
読後感は爽快である。

#半世紀書店員

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