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レビュアー 697890
2019年に出版されたHow to be an antiracist というベストセラーの邦訳。気軽にサクッと読める本ではない。自分の半生と心の動きを語りながら、今やレイシズムの問題を研究し、ボストン大学教授でありBU Center for Antiracist Researchを設立し、ベストセラーをものすようになる自分の半生を振り返る書。歴史に興味を持つことから出発し、さまざまな人生観を揺るがす体験を経て、レイシズムを多角的に分析する、一大論文のような著作となってる。言及される歴史的な出来事、著書や政治家の発言、法律、社会的な出来事、People of Color(言葉の使い方も難しい、何が差別なのかわからなくなることがある)にもさまざまな葛藤や対立は複雑な心理があること。論理的に章立て、まず、たくさんの用語を定義をきちんとすることから始めている。使う言葉に込めた意味がそもそも違うことから話のずれは始まるものなので、最初に定義しておくという明確な態度。
自分もレイシストだったと後から認識する田舎の高校生。
人物の名前で調べるとなんと1982年生まれだ。これには驚かされた。
島国であり、多様性が叫ばれながら、本当の意味でこの問題を肌で日々感じることがな日本ではまだまだ研究されていないテーマであろう。貴重な翻訳書であり、これからの研究者に与える功績は大きいであろう。
末尾の、愛妻と自分や母が相次いで癌と闘病することになるシーンは悲痛だった。レイシズムを癌に喩え、どんなに死に近づく程の戦いでも、希望はある、負けない、という決意。
難解とも言えるが、ゆっくり、たっぷりと時間をとってよむべき書。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ibram_X._Kendi
自分もレイシストだったと後から認識する田舎の高校生。
人物の名前で調べるとなんと1982年生まれだ。これには驚かされた。
島国であり、多様性が叫ばれながら、本当の意味でこの問題を肌で日々感じることがな日本ではまだまだ研究されていないテーマであろう。貴重な翻訳書であり、これからの研究者に与える功績は大きいであろう。
末尾の、愛妻と自分や母が相次いで癌と闘病することになるシーンは悲痛だった。レイシズムを癌に喩え、どんなに死に近づく程の戦いでも、希望はある、負けない、という決意。
難解とも言えるが、ゆっくり、たっぷりと時間をとってよむべき書。
https://en.wikipedia.org/wiki/Ibram_X._Kendi